マイナー病気録

思えば病院とは縁の切れなかった人生。こんな感じで向き合ってきました

何はともあれ、基礎体力アップ

家族がしみじみ涙ぐんでいた

 花粉症シーズンもたけなわですね。小さなベランダガーデニングのためにさえ、ツルツル素材のズボンにパーカーにフードを被り、眼鏡にマスク(ここら辺は日常そうですが)、手袋という全身完璧な花粉症対策ルックで作業に励んでいます。

 ガーデニングのカリスマYouTuberもおっしゃっていましたが、3月はたくさんやることがありますものね!実どころか花さえ咲いたことのないグレープフルーツの木は、うちでは完全に「観葉植物」ですが、3月中に剪定して植え替えしないといけません。大きくなってしまったユーカリの木も、伸ばしっぱなしという訳にもいかないので、剪定する予定です。ああ、大変。

 それに確定申告がまだ済んでいないので気もそぞろなんですが・・・すっかりこちらのブログの更新がおろそかになりました。「病気ブログ」と銘打っているのに元気になってしまってネタに困っていることもあり(そこまででもないか)、先日、一緒に散歩に出た家族が「本当に元気になったよね」としみじみ言ってくれて涙を流さんばかりだった話ぐらいは、せっかくなので書いておかねばと思います。

 家族の言葉に、こちらは照れちゃったのと、何を今さらと思ってしまって「えー、もうちょっと前から結構元気だったよね」程度の受けをしてしまったのでしたが、家族の脳裏には、私が寝たきり状態だった当時の姿がありありと浮かんでいたようでした。

 それこそトラウマになっているようです。現代医学も自らも無力なまま、この人は死んでいくのか・・・と絶望していた頃に、気持ちが飛んでいたみたいですね。寿命は私の病気のせいで10年は縮んだからね、と言われました。

 私はこの人が家族で、恵まれていました。病人になった私を見捨てて実家に帰したり離婚したりしようともせず、ずっと支えになって守ってくれて。さらに、ヒステリックな叱咤激励しかしようとしなかった母親を「出ていってください」と毅然と病室から追い出してくれて、本当にありがたかったです。

 まあ、母の気持ちも多少は分かりますよ、元気になった今になれば。毎日のように遠方から車を飛ばして入院先に来てくれて、洗濯物などの世話を引き受けてくれていました。それはとても感謝しています。母として自分も頑張っている、それなのに自分の子ども(もういい大人だけど)の病状について医者が「もう打つ手が無い」なんて言っている。それで頭に血が上ってたんでしょう。回復しない私が憎らしかったんでしょう。

 でもね・・・自分が思う通りに回復しないからって、患者本人に感情のままに怒鳴り散らせば治るんですか? 母は昔からよく「病は気から」と言っていました。でも「立てー!立つんだー」って怒鳴られてもね・・・できるものなら最初から言われなくてもそうしてましたよ。

 そんな状態での療養中に退職することが決まったのでした。それから、この7月でちょうど20年になるんです。

 まあ、そんなどん底の時期から、家族の支えで着実に回復することができた幸運な20年。元々私は歩くのが速い方なので、セカセカチャカチャカ歩く私の姿を見て、一緒に散歩に出た家族は感慨に浸っていたんですね。まるで歩き始めたばかりの子どもを見て「こんなに大きくなって!」と感激するみたいな・・・違うか・・・💦

回復の決め手は何かと問われれば、伝統医療でした

 ちょっと蛇足感はぬぐえないのですけど、最近もちょっとやり取りがあった話なので、書いておきます。

 今、目の前にいる私を見て20年前の寝たきりの惨状を想像できる人はまあ、いないと思います。結構ポンコツなんですよ、と言っても大体信じてもらえません。ただ、ご家族に似たようなご病気の方がおいでだったりすると「何が良かったんですかね?」と聞かれることもあります。

 そうした場合、どうお答えすればいいものか。個人差があって合う合わないがある話なので、私が良かったからと言ってその人に良いかどうかは医師でもないのでわかりません。

 このブログもそうですけど、「あくまでも私の場合」ということを理解してもらった上で、素人の私がお伝えできるのは「自分自身で回復できる力=基礎体力を底上げすることなんじゃないですか?」しかない気がします。

 身体にカビが生えた時に「梅雨時の食パンと同じ程度の体力しかない」と揶揄され、体に流れる微弱電流が健康な人と比べて段違いに低い程度しかなかった、とも指摘されました。そんな体力じゃあ、多重的に発症していた病気を跳ね返せるはずもなし。

 それで「体力を上げなきゃ、そうじゃなかったら治らない」と自分でも思いました。

 私が頼ったのは伝統医学でした。現代医学に見切りを付けられてもまだ伝統医学がある!と思いました。結果的に、バカにしたもんじゃなかったです。トライして本当に良かった。幸運にも、プリミティブな私には合っていたんです。

 とはいえ、伝統医学を実践しながらも、現代医学の医師としてきちんと資格がある専門家を受診することにはこだわりました。

 当時、後楽園の日中友好会館の中にあったクリニックに行くことを決めたのは、一時北京に住んだ頃に中国の漢方薬のお世話になったことがあり、効き目に信頼があったからです。クリニックでは、中医学を中国で学んできた医師が、丹念に脈を取ったり舌の状態を見て、私のためにアレコレ調合した生薬を出してくれました。それを、毎日煎じて飲みました。数年は通って飲んだと思います。

 専用の機器を使って煎じていると部屋中に凄く強烈なにおいが充満します。白雪姫の魔女が毒リンゴを作るためにドロドロと何かを煮込んでいるようなイメージ。そして、飲むと何とも言えず渋~くて苦い。マズいと言ったほうが正直です。よく見る漢方のエキス剤よりも「良薬は口に苦し」をハッキリ思い知らされる気がしました。

 でも、診てくれた医師が「生薬の方が効き目は3割増しだよ」と言うので、ガマンガマン、もうそれしかなかったですから、せっせと飲みました。ご近所さんもご迷惑だったかもしれませんね、あの匂いは。

 それから、ヨーロッパの漢方・ホメオパシーにもお世話になりました。こちらもヨーロッパに行って学んできたという内科医を見つけて受診しました。

 漢方もホメオパシーも、目指すところはどちらも私の基礎体力を上げることだったので、相乗効果もあったかもしれません。この2つの伝統医療のお陰で、現代医学に見切りを付けられた私も、正に薄皮を剥がすように徐々に体力を上げ、死ぬルートから生きるルートへと舵を切ることができたのでした。

 ホメオパシーはその後、日本での評判が悪くなってレメディも簡単には手に入らなくなってしまったようで、あまり大っぴらにお勧めすることができなくなりました。もったいないですね。英国では保険も使えると聞きましたが・・・。

 あのホメオパシーのお医者さん、もう日本では看板を下ろしてしまったでしょうか?

 日中友好会館の中医学のクリニックの方は、あの建物からは無くなったようで、代わりに今は立派な日中友好医院が代々木にあるようです。

高麗人参でも紅豆杉でも

 当時は医師による処方にこだわった私ですが、今、例えば癌になったりコロナになったりしたら、体力を上げてくれそうな物だったら何でも飲んじゃいそうです。

 うちにはまだ、以前いただいた高麗人参を漬けたお酒があるんですよね・・・まずはそれから。そうそう、紅豆杉(タキソールという抗癌剤の原料)のお茶もあるんでした。体力がバッチリ上がりそうです。

 何でしょうね。ハードルが下がったのは、逆説的ですがやっぱり健康に自信が出てきたのでしょう。本当にダメダメだったころは、勝手に余計なものを飲むだけの余裕が全く気持ち的にもありませんでした。

 余裕が無いと言えば、健康不安から「どうせ旅先で入院することになるから、もう二度と泊りがけでどこかに行くなんて無理だ」とずっと思っていました。それが、来月は家族で久しぶりの旅行を計画しています。以前、行った温泉ですけどね。

 その温泉は、近くに大きな病院があるので「何かあっても安心だから」と家族は言います。そこがポイントだそうです。でも、きっと入院することにはならないでしょう。

 以前は、入院する予感がムクムク心の中で湧いてきたものでした。「あ~、きっとお世話になっちゃう」と。そうすると好調に思えていても結局体調を崩し受診する憂き目を見ていましたが、そんな変な気も全然湧いてこないので、きっと大丈夫です。

 思えば長かった20年。これから、家族と取り返します。間に合うでしょうか?