マイナー病気録

思えば病院とは縁の切れなかった人生。こんな感じで向き合ってきました

喘息患者は人から見えない?

気づいたときには遅かった

 昨日はブログを書こうと思ったのに、久しぶりに喘息の発作に見舞われて叶いませんでした。

 ホントに最近はめまいからも解放されて元気いっぱい、喘息なんて普段は忘れているんですけれどもね・・・いったん咳が出始めたら止まらずゼーゼーが始まり、「喘息持ちだったんだ」と思い知らされます。

 今はもう咳は止まりましたし、今日も、幸いにも明け方にちょっと出た程度でしたが、喉にはまだ少し違和感がありますね。

 発作が起きたのは、昨日の午前中。パソコンに向かって作業をしていて段々と咳が出て、同時に気づいたのが窓の外からのブーンという何かの機械音。結構な爆音でした。

 たぶん、マンション中庭の植栽の剪定をしているのでしょうか・・・発電機の音なのか、それとも、刈り込む機械(何て言うんでしょう?カッター?)のモーター音なのか、とにかくその音に伴って一酸化炭素的なニオイが立ち込めてきました。

 慌てて窓を閉めたのですが、時すでに遅し。咳はもう止まりません。

 ゼーゼーしながら吸入したり、うがいしたり、薬を飲んだり、ココナッツオイルを口に含んだり、蜂蜜を舐めたりと、アレコレやって、何とか治まっていった感じです。

 昼にはまあまあなところにまで回復して一息つけましたが、夜になっても声はガラガラ、出しにくい感じが残りました。

 コロナのせいで、咳が苦しいものだということは最近はみなさん広くご存じです。パルスオキシメーターも市民権を得ているぐらいですから、咳が止まらない苦しさは、想像していただけると思います。

 しかし、あの中庭で作業をしていた職人さん。建物の中で、こんなに七転八倒している喘息患者がいるなんて、知りもしないんだろうなあ。せっせとお仕事をしていただけですもんね。

 咳き込むと言えば、最近は、華やかな化学的香りを撒き散らす柔軟剤も強敵です。蒸し暑い日にうっかりバスに乗って、いきなり呼吸ができなくなって、ひどい目に遭ったことがあります。

喘息が軽く見られている理由は?

 あとは何と言ってもタバコの煙がトリガーになりますね。特に困るのは歩きタバコ。何の症状もなかったのに吸い込んでしまった途端、キュッと気管支が狭まって息が苦しくなり咳込み始めるので、私の場合、顔を歪ませ口をパクパクさせながらとにかく遠ざかるしかありません。

 ひとりで苦しがり、その人の吐く煙の及ばないところにまで一目散に逃げて行ってしまうのですから、火をつけたタバコを持って延々と歩き続けているご当人はまったく知りもしないでしょう。

 ご自身の副流煙がどんな害を及ぼしているのか、その結果を目の当たりにしないで済むわけです。文句を言いたくても、喘息患者はその場にいることができないし、話しかけることも息苦しくてできないのですから。

 だから「そんなに被害を受けている人なんかいないでしょ」と信じ込んでいられるのだろうと思いますね。幸せなことです。

 でも、逃げるにしても煙の拡散って早いんですよ。呼吸が苦しい状態で走って逃げるなんてちょっと無理な芸当です。大変です。息を止めたまま、走ってみてもらえたらわかると思います。

 それで、その時はまあまあやり過ごせたとしても、翌日の明け方に咳き込むんですね。大体が朝の5時頃です。咳で起こされて、寝ていられません。

 こんなことは、当然、歩きタバコのスモーカーは知りもしないでしょう。

 いつだったか、「タバコの副流煙の害は過小評価されている」と口にしたところ、タバコ農家の経済的苦しさを持ち出されて口を塞がれそうになったことがあったのですが、唖然としました。

 タバコ農家さんは、別の作物を作るチョイスができると思うんです。職業替えだって、ギリギリどうしてもとなった場合、できないことはないでしょう。

 でも、こちらは息ができないんです。「呼吸をするかしないかを選べ」って人に言えますか? 「呼吸しない選択肢=死」なのに、「タバコ農家だって大変だ」と言う人たちは意味がわかってないとしか思えません。

 ほとほと思うに、喘息って軽く見られています。ただちょっと咳き込むだけだと思われているのではないか、と思います。それは、被害結果が見えていないからですよね?

 だから「オーバーだ」とこちらを責めたり、タバコ農家さんの擁護に走る人が次から次へと出てくるんだろうと思います。

 喘息患者の気管支は、慢性的に炎症を起こしている状態だと聞きました。

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bing.com より

 毎年発作で死んでいる人だっているのに、その事実があまりにも知られていないように感じます。私が発症した1998年頃には、毎年6000人前後が亡くなっていたと記憶しています。

 吸入ステロイド薬が普及して、その数も今は急減したようにも聞きますが、それでも個々人を見れば、まだ30代の家族が、スーパー駐車場に停めた車中で発作止めを握りしめたまま喘息の発作で亡くなっていたのが見つかったと、前の職場の同僚が泣いていましたし、私の主治医も「来ないなと思ったら急な発作で亡くなっている患者さんが多い。調子が良くても、ちゃんと来てね。勝手に薬の吸入を止めないでね」と言います。

 あのテレサ・テンだって、喘息の重積発作でお亡くなりになっているのに。

喘息で死ぬことがあります

喘息は死ぬことがある病気です。しかも、昨日まで全く元気だった若い人でも喘息の場合は死ぬことがあるのです。喘息死は窒息死です。人間にとって窒息はとても苦しい状態です。とても苦しい思いをして死んでしまうことがある喘息は恐ろしいのです。

しかも、喘息で死亡する人々の背景を調べてみると、喘息発作を繰り返していなかった中等症の喘息患者も時々みられています。自分の喘息はひどくないから、と言う認識では危険です。

統計によると、日本における喘息死は、1995年の約7000人をピークとしてそれ以降は減少しています。最近では年間1000人から2000人となっています。2000年代に厚労省は喘息死ゼロ作戦の活動を展開しました。その活動は一定の効果を見たと思いますが、それでもまだ全国で1000人以上の人々が喘息で死んでいます。(喘息で死ぬ日本人は年1000人超。ここ10年減らぬ世界の喘息死事情 - まぐまぐニュース! (mag2.com) by徳田安春医師)

 せっかく秋晴れで風も気持ち良かったのですけれどもね・・・とりあえず、声がちゃんと出せるようになったら、マンションの管理人さんに今後の庭木剪定の予定日を教えてもらえるようにお願いしてこようかと思います。

 そうしたら、事前に窓を閉めていられて、苦しさで1日潰れたり、下手したら死ぬことも回避できますからね😞