マイナー病気録

思えば病院とは縁の切れなかった人生。こんな感じで向き合ってきました

餅は餅屋、頼りになる専門医

ドクターストップは気楽?

 昨日、懐かしい人と電話でお話する機会があり、その方も私と同様、ドクターストップでコロナワクチンが接種できないと知りました。

 その方の場合、ワクチン成分の1つであるPEGアレルギーなのだそう。そのものずばりなので、「お医者さんからお知らせいただかなかったら、ワクチンを打ってしまって死ぬところだった」と話していました。

 ご自身の信念で接種しない方、これまでの体質を振り返ると不安でできないと判断される方・・・その方々は、外野に色々と接種の効能を言われて諭されたり、受けなさいと言われて悩みも深いようですが、私たちのように「医者に止められた」となると、悩む隙間もないですね。

 ワクチンを諦めるしかないのは、選択肢が減った訳ですが、ある意味楽なことなのかもしれません。かかって死んだらそれも運命。そんな風に思うしかないというか。

 彼女も、諦めてサバサバしていましたが、当然ながらやっぱり注意深く生活しているとのこと。多趣味なのに、外出しなければならない活動は全部止め、家で手を動かしてできるものを黙々とやっているそうです。

 「それも、もう飽きちゃったのよー」とおっしゃって・・・そうですよねえ。

 買い物も人出を避けて夜にこそこそ行き、後は医療機関に行く以外は家にこもっているそうです。

 私は、さらに買い物もネットスーパーをほぼ使ってきたので、買い物に行きたい!という気持ちが最近なかなか抑えられなくて困ります。お話を聞いて「私も夜中に行っちゃおうかな」なんて思いました。

 でも、その目的は完全にレジャー、気晴らしですよね。ネットスーパーが使えるのだから、ワガママなんですよね。とほほ。

膝治療の仲間

 このお話した彼女には、一昨年だったか、膝の専門クリニックを紹介したことがありました。同時期に同じような赤い杖を突いて歩き、杖仲間にもなったんですよね。

 私が膝に怪我をしたのは、本当にもう笑ってしまうような恥ずかしいことで・・・良い子は絶対にマネをしないでくださいね。

 その日、お風呂に入るにあたりハイソックスを脱ごうとしていたんですが、座って脱ぐのが面倒くさくて、立ったまま、片足を持ち上げて片手でハイソックスの先端を引っ張っていたんです。一生懸命引っ張っても、弾性ストッキングでしたから、しっかりしていて全然脱げません。

 そこで諦めて、きちんと座って両手を使って真っすぐ脱げばよかったのに、しつこく片手で引っ張り続けたら、膝が見たこともない方向にぐにゃりと曲がり、その瞬間「ぱちん」という破裂音が軽く聞こえました。

 「え?何?ぱちん?」その時点でようやく青くなって座り、両手でハイソックスを脱ぎました。

 そして・・・その時は何ともなかったように見えたのですが、翌朝までに、膝から下は象の足のように全体が大きく腫れてしまいました。

 てっきり血管が切れたんだと焦り、下肢静脈瘤の手術をした整形外科に連絡してすぐに診てもらいました。

 そうしたら「これは・・・血管じゃないね、膝だよ」とのこと。保険治療ではやれることが限られ、いきなり人工関節だという話が出たところで、途方にくれました。

 それでネットをググって見つけたのが膝治療の専門クリニックでした。

 画像診断で見せてもらった私の膝の軟骨は、アイスクリームをワンスクープ掬ったように、半月状にえぐれていました。「ぱちん」は靭帯が切れた音だったのかと思ったら、軟骨がえぐれた音だったんですね。

 このえぐれた箇所に、培養した私の血小板をフリーズドライにしてパウダーにしたものを注入するという、初めて聞く治療法を勧められました。

 その時聞いた話では、血小板を培養したものを注入する治療法自体は、ある大学病院でもやっているそうで、もしかしたらそこでは先端医療扱いでできたのかもしれませんが、当然ながら変形性膝関節症の当時の標準治療ではありませんでした。

 ましてや、血小板をフリーズドライにしたパウダーを使う手法の方は、その大学病院でさえも、まだやってなかったんですね、当時は。

 そして、その専門クリニックでの施術になるフリーズドライの方が治療結果は良くて、それはマルマル自費での治療になるわけです。

 なんと・・・約30万円もすると言われたと思います。

 でも、公的保険治療で治療することに固執すれば、標準治療では基本は人工関節を入れることになります。それだけは嫌、治せるうちに治したいと思い、再生医療一歩手前のその治療法にチャレンジすることにしたのでした。

 その当時、20年以上も使ったドラム式洗濯乾燥機を買い替えるために、30万円を用意していたのが、そのまま治療費に化けました。

 結果は・・・本当に良かったと思っています。洗濯機は乾燥機能なしの7万円のものを買いました。

 そして、私の治療経過を固唾を飲んで見守っていた知人が2人・・・そのうちの1人が、昨日電話でしゃべった彼女でしたが、すぐにその専門クリニックに通い始め、悩みに悩んでいた膝の痛みや不自由さから解放されたのでした。その後、ご友人8人も同じクリニックに紹介したとか。

 「こんなことなら、クリニックから宣伝費でも貰えばよかったですよね」などと彼女とは笑いあいました。

 私のもう1人の知人もそのクリニックに行き、さらに高度な治療を受け、当然ながらもっと治療費がかさんだようでしたが、長年の膝痛から解放されたと喜んでいました。

 私のようにおっちょこちょいでケガをする場合はむしろ稀で、長年膝の痛みを抱えて辛い思いをしている人は多いですよね。グルコサミンのCMもよく見ますし。たまらず人工関節にしたなんて話も聞きますから、深刻です。

 だから、あのまま普通の整形外科に通っていたらと想像すると、空恐ろしいです。50代にして人工関節を入れるなんて・・・。専門医に行って良かった、そうでなかったら引き受けなければならない結果の差が大きすぎました。

 相撲中継を見るたびに、膝を痛めた力士がたくさん目に入ります。新横綱になった照ノ富士もそうでしたよね。テーピングが痛々しくて「あのクリニックに行けばいいのになあ」と思いつつ、応援していました。

 もちろん、人によってピッタリはまる治療法には違いがあるでしょうけれど、いずれにしても、いざとなったら頼りになるのはやっぱり専門医。私の場合はその連続だったので、餅は餅屋だと実感しています。