マイナー病気録

思えば病院とは縁の切れなかった人生。こんな感じで向き合ってきました

お医者さんに「その後」を伝えるすべがあれば

昔の嬉しかったことを思い出して

 このブログは「マイナー病気録」と銘打ち、自分のマイナーな体調の悪さなんかを日々愚痴るつもりだったのですけれども、最近、コロナ蔓延のせいで自宅にほぼ引きこもっている私は、本当に体調が安定しています。

 病気について書くには困りますね😊😊😊えへへ、と言いたくなるくらいですよ。ほんの2年ほど前に「このまま寝たきりなのか」と涙したのも、もう遠い日のことのようです。

 今はコーラスの自習をし過ぎて喉が痛くなったり、ベランダガーデニングのせいで腰が痛くなったりするくらいで、平穏無事。幸せですね。ただ、コロナに罹患すればワクチン抜き+基礎疾患アリの状況下、この世に速攻でサヨナラする可能性も無いわけではないので、それを忘れずに大切に過ごして参りましょう。

 そんなことを考えていたさっき、Twitterを開いたらこんなツイートを見つけました。

 ・・・「不明熱」と言われたまま39度前後の熱が出っぱなしで2年半ぐらい経過し、ようやく甲状腺疾患だとわかった時にはとっても嬉しかったなと、20年弱前(!)の当時を思い出しました。

 診断が付いた途端にすぐに適切な治療が始まり、希望の光がピカピカ見えたあの日。それまでのダメージが酷かったので体力回復までにかなり年月もかかりましたが、ボロボロの日々の中、嬉しかったです。

 何年後かに、私が発病以来初めて飲酒して帰ったら、家族が泣いて喜んでくれました。ここまで元気になって良かったって・・・忘れられません。

 さて、先ほどのツイートのスレッドを読んでみたら、この方は、化学物質過敏症みたいで回復どうこうに直ちにつながるとは言えないみたいですね。それでも、少なくともちゃんとした病気なんだと認められて、ホッとしたでしょう。良かったですねー。

医者も悩んでいた?…でも詐病呼ばわりはヒドイ

 ずっと診断がつかないとどうなるか。病気じゃないと言い出す医者もいましたね、ご自分がわからないだけなのに。詐病とか言って、人をウソつき呼ばわり。あれは酷かった、苦しんでいる中でショックでした。

 暑い夏で、常時39度程度発熱していると体力も失われて殊に苦しかったですけれど、フラフラな患者を目の前にまさか詐病とか…ご立派な大学病院で、そんなデタラメを言いだす医師がいるとは思いもしませんでした。そんなバカな、って言い返したら、怒鳴り散らされました。

 ご立派な大学病院の医師だからこそ、自分が診察している患者が「不明熱」じゃあ格好がつかなかったんでしょうね。都合が悪くなるような患者には、目の前からいなくなってもらいたかったんでしょう。当然、その先生に診てもらうことはその後ありませんでした。

 あのお医者さんは、今頃どうしているのでしょう。もうあの大学病院にいるお年ではないかな?

訴訟でもない限り、ヤブ医者は患者のその後がわからない

 お医者さんて言いっぱなしですよね。それで済んじゃってますよね。酷い医者にはこちらがヤブ認定して行かなくなるだけなので、自分が診た患者の行く末というか、自分の誤診を知らないまま・・・それが普通になっちゃってるんじゃないかと思います。

 もちろん、良いお医者さんであれば患者もそのまま通いますから、患者のその後も当然把握しているでしょう。(ちなみに私も主治医とは20世紀から今もお付き合い継続中です。「そんなに長いこと通っても治らないんじゃヤブじゃないの?」という声も聞こえてきそうですけれど、治癒の見込めない慢性病だと仕方ないですよ・・・それに、正直色々とハズレもなかった訳じゃないですけれど、専門外の件も一生懸命に考えて医者を紹介し続けてくれましたから、この先生について行こう!と思えたんですよ。)

 ヤブ医者が患者のその後を知るチャンスと言えば訴訟でしょうけれど、医師の診断が外れても、医療過誤の裁判までを起こす患者の確率ってすごく低そうですよね。

 患者側としても、民事訴訟を起こすなんて大変すぎて考えたくもないです。原告となる患者側に立証責任がありますから、医療知識に劣るこちらは断然不利。労力・体力・経済力をムダに消耗するのは目に見えています。それなら、病気から回復して自分の人生を立て直す方向に力を使いたいですからね。

 金銭的な負担は、いざ訴訟となると思いの外大きいでしょう。請求金額が高くなれば印紙代もバカになりません。それに、本人訴訟は無理だから、弁護士さんも雇うことになりますね。

 とはいえ医療過誤の裁判を請け負えるような医療に強い弁護士さんを探すのがまず大変。いたとしても証拠を揃えるのがまた大変。病院内に医療者の協力者でもいない限り、素人の患者側は太刀打ちできません。

 ということで――

  • 検査中にアナフィラキシーショックを起こして血圧低下・意識不明に陥ったのに意識回復後にフォローも説明もなく、待合室に放置された件
  • 親知らずの処置が悪くて信じられない程の痛み(頭の中で連続して大きな鐘が打ち鳴らされているよう)が徐々にひどくなっているのに、様子を見られて顎の骨が壊死するまでになってしまった件

――については、今思い返しても「訴訟起こしても良かったかな」と思わないでもないですけれど、二の足を踏む要素ばかりです。医療訴訟に乗り出す患者本人なんて、ご家族をそれで亡くされた場合を除き、本当に一握りにも満たないのではないでしょうか。

 だとすると、医師側がよほど患者の声を聴こうとしない限りは、医師はいつまでも患者のその後は何も知らないままってことになりませんか?自分の誤りを改善するチャンスには行きあたらないまま・・・医者にも患者にも不幸ですよね。

もっと簡易な意見交換の場があればいいのに

 医療過誤で損害賠償請求なんて、物騒で敵対的な堅苦しい争いの形でなくても、もっとハードル低く「お医者さん、間違ってましたよー、こうすれば良かったみたいですよ。他のお医者さんのお陰で今元気になってますけどね」みたいな情報が、患者から医師側に届けられる場があればいいのにな、と思います。

 そうすれば、少なくとも患者に耳を傾ける気がある医師なら、今後は間違いを重ねずに他の患者さんの助けになれますよね。

 第三者機関みたいなのが、医療に関する患者側のグチを一手に引き受けて聞いてくれたらいいんでしょうね。それを、ダイレクトにその人という形じゃなくても医療機関や医師側に届けますよって。

 で、場合によっては医療過誤に関して調停や訴訟のサポートもすることにしてくれたらいいなぁ。

 多くの患者さんがSNSで発信できるようになっている今であれば、医療者がその声に接するチャンスもあるかもしれません。でも、そういった患者の声をSNSで拾って読むようなお医者さんは、ただでさえ忙しいのにいませんよね?いたとしたら、最初からよくデキすぎているお医者さんですよ。

 このブログも、医療関係者が読むなんてことはないでしょうし、私に関わったお医者さん方が読むなんてことも、まず無いでしょうね・・・でもちょっと書いてみましょうか。

 とりあえず「不明熱」について。

  • 会社の診療所のお医者さん。後で伺ったところでは、甲状腺の専門医だそうですね!なぜ私の不明熱が甲状腺疾患だと診断できなかったのでしょう。たぶん、血液検査の数値ばかりにとらわれすぎて、目の前の患者の状態をきちんと把握できていなかったからでは?ちょっと標準から数値のズレている人間もいるんですよー。すぐに診断を付けてくださっていたら問題なくコントロールできていたはずで、私は2年半も発熱したまま宙ぶらりんでいることもなく、あちこち遠回りして治療のドツボにハマって体力の限りを使い果たして寝たきりになることもなかったです。会社を辞めることもなかったのにー。
  • 以前も書いたことがある「私があなたの不明熱を治してあげる」と大見得を切った内分泌代謝の専門医さん。検査をしてもしても原因が見つからないと焦ったんでしょうね、入院当日の朝になって「アレルギーがひどすぎて病棟内で食事を出せない」とか言い出して、給食担当の人が何か言いたそうだったのに黙らせて私を追い出しましたよね。あの後、根も葉もない悪口をあれこれ言われたような気がします・・・人間的にヒドイ。この先生も、患者の症状をよく見ずに検査数値に振り回され過ぎた挙句、診断に困ってしまったんでしょうか。繰り返しますが、ちょっと標準から数値のズレている人間もいるんですよー。病院への往復のタクシー代を返してほしいです。
  • 脳神経外科のお医者さん。不明熱について「確認できていない微小な脳腫瘍が視床下部にあるせいではないか」とお疑いでしたけれど、そうではなくて、甲状腺疾患でした。あのまま、やみくもに頭を開けて手術をしてしまわなくて本当に良かったです。結構本気でしたよね。あの時しばらく飲んでいた脳腫瘍の薬、そのせいで毎日嘔吐し、吐き気止めのナウゼリンを飲まなければならなくなりました。吐き続けて痩せ続け、熱は下がらないし全身状態は最悪になりました。「あーもう死ぬのかな」と毎日思ってました。
  • 相談に丁寧に乗ってくださった薬剤師さん、今も感謝しています。不明熱は、ナウゼリンとか他の薬物とは関係なかったです。プロラクチン血症には関係があったようですけれど。甲状腺疾患だと分かって治療が始まってからは、もう既にナウゼリンを飲むことも無くなりました。プロラクチン血症も治りました。
  • 某大学病院の婦人科の先生。その節は、よく話を聞いて向き合ってくださってありがとうございました。私の不明熱は、少し前に手術した骨盤腹膜炎の残り火で炎症が続いて引き起こされていたのではありませんで、甲状腺疾患によるものでした。腹腔壁の蜂窩織炎が続いて発熱しているのかもと、抗生物質を長く飲みながら研究中のラクトフェリンもよく分けてくださいましたよね。今、普及したラクトフェリンを見るたび、先生を思い出します。
  • 某研究所の専門医さん。とても丁寧に診察してくださり、不明熱の原因も3つまで候補を絞って詳細な解説を会社向けに書いてくださいました。その3つのうちの1つ、甲状腺疾患で当たりでした。会社向け…だとあんなに詳細な解説になるんだなあ、なぜ本人にはミニマムになるんだろうと思わないでもなかったですが、ありがとうございました。患者もあちこちタライ回しになる過程で、それなりに詳しくなっているんですよ。説明してくだされば理解できますよ。

 ・・・ここに書いたのが全てではないですが、今思い出した限りでも、本当に多くの医療者に関わっていただきました。数人を除き、感謝しています。ご尽力いただいた甲斐なく私の不明熱の回復にはつながらなかったのは残念ですが、数人を除きヤブ認定したわけではなく・・・まあ、ちょっと自分は元々が標準からズレていたみたいだから仕方なかったんだなあと今は思います。

 標準から外れると言えば、俳優の高橋一生さんって体温が通常でも37度超えらしいですね。「俺の手は冷たかろう」という、「おんな城主直虎」での胸キュンシーンでのセリフが実態とかけ離れて爆笑物だったとか。風邪を引いたことが無いと言っておいででしたが、このコロナ禍で体温を測られるたびに困ったんじゃ…⁉ 脱線しました。でも人体って不思議。

 さて、いつか私を回復させてくれた医療者の神々✨✨を並べて書いてみましょうか、その方が私の精神衛生上もきっと良さそうですよね。・・・中には卑劣なハラスメント野郎もいるのがムカつきますが。ああ、余計なことを思い出しちゃいました。