マイナー病気録

思えば病院とは縁の切れなかった人生。こんな感じで向き合ってきました

アレルギーの日でした

報道で知った2月20日

 もう半世紀以上アレルギーをやっているんですが、昨日が「アレルギーの日」だとは全然知りませんでした。

 知ったのは、この記事を読んだからです。

news.yahoo.co.jp

 ・・・そうでしたか!(2つの意味で)

 「ラーメン、つけ麺、ぼくイケメン」というギャグでロンブーの番組か何かに出ていたタレントの狩野英孝さん。「ぼくイケメン」のくだりで(どこが💦)と心の中で必ず突っ込んでしまっていましたが、そうなんですね。

 狩野さんが多くのアレルギーに悩んでいると聞くと、同病相憐れむとはよく言ったもので、記事を読んで気になりました。

 そして、もう1つ気になったのが、2月20日アレルギーの日。そんな日が制定されていたとは全く知りませんでした。長年のアレルギー持ちとして、不甲斐ないです。

 よく考えてみれば、これだけ花粉症やらに悩む人が多いアレルギー大国。花粉症は、CMもガンガン流れ始めましたが、そろそろ花粉の飛散が始まりましたよね。私の鼻も先週から花粉の存在を察知したので、警戒を始めました。早く目薬を入手せねば。

 ですから、アレルギーの日はあっても当然でした。

 何か行事や講演とかやっているのかな・・・と探してみたら、ありました。やはり1週間前と昨日の日曜日、公益財団法人日本アレルギー協会の「アレルギーの日」関連の催しがあったんですね。見逃して残念!(https://www.jaanet.org/week/pdf/28/28th_allergyweek.pdf

 諦められず、昨年の講演がアーカイブで配信されていたので、そちらを拝見しました。(講演動画 アーカイブ | アレルギーの日・アレルギー週間 | 公益財団法人 日本アレルギー協会 - JAANet Station

大人の食物アレルギー、侮れないそうです

 その中に、1年前の今日、2021年2月21日に横浜市立みなと赤十字病院のアレルギーセンター長・中村陽一医師が「あなどれない大人の食物アレルギー」というタイトルで講演されていました。

 これは興味津々です。食物アレルギーを理由に旅館の宿泊や入院まで断られたり、散々苦労してきた私が見ないで誰が見る! 見なかったら後悔するヤツです。

www.youtube.com

 拝見して、かなり勉強になりました。書き出したいことは他にもありますが、ご関心がある方はせっかくの配信があるのでそちらをご覧いただくとして、とりあえず「大人の食物アレルギーの問題点」として指摘されていたのは、以下の3点でした。

  1. )多くの場合は治癒が無く長い付き合い
  2. )自己管理が不十分な人が多い
  3. )怪しいアレルギー医療が横行しやすい

 1)そうですか、やっぱり治らないんですね・・・😞 長い付き合いに既になっているんですが、まあ一生このままなんでしょう。了解です!食事の一環のように、アレグラをずっと飲み続けます!

 抗アレルギー薬については、アレグラの他に、たまにアレジオンに移ることもあります。最近はテレビのCMでクラリチンも見かけますね。あれもそうでしょうか? 関心はありますが、今は特にアレグラに不満も無いので、主治医が何か言わない限りはこのまま行くんだろうと思います。

 3)にも関連しますが、一時は抗アレルギー薬を常用していることが何か心配で、なんとか卒業しようと漢方薬やら何かほかの手段は無いのだろうかと色々と探して考えてみたこともありました。

 でも、結局一番簡単で安価で確実なのがアレグラ。市販されるようにもなり、うっかり受診し忘れても入手できる安心感。主治医の言う通り、これで良いんでしょうね。

 2)については、抗アレルギー薬を飲んでいるとはいえ、患者本人の管理が悪いと元の木阿弥なんですよね・・・でも、長い長い旅路だと思うと、たまにはダレることもありますよ。だからこそ、簡単にコントロールできるアレグラはありがたいです。

 (お守りでステロイドも持っていますけれどね。)

 また何よりも必要なのは良い睡眠。疲れると症状は酷くなるばかり、体力を上げ、それをキープで症状が緩やかに抑えられていく実感があります。

血液検査を鵜呑みにはできない?学会の見解

 そうそう、狩野英孝さんが「アレルギー100種」持ちでかわいそうとの上の記事を読んだときに、それって血液の抗体検査で出ただけなんじゃないの・・・?と少し思ったんですよね。

 違うかもしれませんけれど。でも、昔は血液での抗体検査で引っかかって食べちゃダメ飲んじゃダメだったので。

 (私の場合は、子どもの頃からの食物アレルギー症状の蕁麻疹を引き起こす食物と、大人になって発症したアスピリン喘息発作を引き起こす食物があるのでわかりにくいのですけれども、ここでは喘息じゃなくて「蕁麻疹の出る食べ物」を意識して書いています。)

 禁食リストにまじめに従っていると、食べるものが無くなってしまいますよね。それは甥も同じでした。

 そこで、私も主治医にモンクを言ったら「薬をテーブルに並べていつでも使えるように用意してから、少しずつなら食べてもいい」と言われ、実際、体調がいい時なら少しなら食べられるとか、そして、体調が向上したことで徐々に食べられるようになってきたとかが分かってきたのでした。

 だから、中村医師が講演の中でもおっしゃっていた「食物のIgG抗体検査を信用しない!」を見て、(やっぱりね!)と思うと同時に、ちょっとびっくりしたというか・・・まだ血液検査だけで振り回されている患者さんがいるとしたら、食べられるものも食べずにずっと我慢して、本当に可哀そうです。

 講演で紹介されていた、日本アレルギー学会の2015年2月25日付の公式見解を探して見てみました。〔学会見解〕血中食物抗原特異的IgG抗体検査に関する注意喚起|一般社団法人日本アレルギー学会

 米国や欧州のアレルギー学会および日本小児アレルギー学会では、食物アレルギーにおけるIgG抗体の診断的有用性を公式に否定しています。その理由として、以下のように記載されています。すなわち、

 ①食物抗原特異的IgG抗体は食物アレルギーのない健常な人にも存在する抗体である。

 ②食物アレルギー確定診断としての負荷試験の結果と一致しない。

 ③血清中のIgG抗体のレベルは単に食物の摂取量に比例しているだけである。

 ④よって、このIgG抗体検査結果を根拠として原因食品を診断し、陽性の場合に食物除去を指導すると、原因ではない食品まで除去となり、多品目に及ぶ場合は健康被害を招くおそれもある。

 以上により、日本アレルギー学会は日本小児アレルギー学会の注意喚起を支持し、食物抗原特異的IgG抗体検査を食物アレルギーの原因食品の診断法としては推奨しないことを学会の見解として発表いたします。

 ④の「このIgG抗体検査結果を根拠として原因食品を診断し、陽性の場合に食物除去を指導すると、原因ではない食品まで除去となり、多品目に及ぶ場合は健康被害を招くおそれもある」は、甥についてそう感じていました。除去する食品が多く、ちゃんと成長できるのかと心配でした。

 また、その前の③の「血清中のIgG抗体のレベルは単に食物の摂取量に比例しているだけ」ってすごくないですか💦 

 大好物は抗体レベルが上がるので、好きな物ばかりが食べられなくなっちゃうわけですが、昔は正にそうでした。「なんで好きな物ばっかり禁止されるのか」と私も子ども心に思っていましたよ。

 講演の中で、おとなの食物アレルギー患者は、ひどくならないと多少のことでは受診しないと中村先生もおっしゃっています。となると、まだかなり昔に渡された禁食リストを信じている患者さんがいるかもしれません。

 たまにはアレルギー専門医を受診して自分の状態を改めて把握したり、昔の知識をアップデートすることって大事なんでしょうね。私も、こうやってたまには専門医の講演を聞いてみるようにしたいです。

 見逃した今年2022年分の講演の配信も、楽しみにお待ちしましょう。

 100種の食物アレルギー持ちの狩野英孝さん・・・もしかしたらもっと食べられるものが実はあるかも・・・そうだったらいいですね。