たぶん、カフェインのアレルギー
出先でごちそうされてしまった時などに地味に困る話なんですけれど、私、コーヒーが飲めないんです。
「美味しいのを淹れてあげる」と事前に言ってもらえる時は、理由を言って断れるからいいんですけれども、断りなしに出てくる場合もあるのがコーヒー。しかも、相手は他の飲み物からわざわざグレードアップしたつもりでコーヒーにしてくださっている場合も多くて、その気持ちを思うと断り切れずに口にすることもあります。
飲むと不味いことはないですよね、味は。でも、体質の問題なので、その時はガマンできたとしてもしばらくすると気持ち悪くなり、ひどいと吐くし、頭痛もするし、半日~1日ぐらいは使い物にならなくなります。
匂いがダメなので、デパ地下のコーヒー売り場はどこにありそうだとかすぐにわかりますし、なるべく近寄らないようにしています。
まだ小学生だった頃(ほぼ半世紀前💦です)、朝に父がサイホン(?)を使ってコーヒーを淹れ始めると、決まって吐き気が始まるという・・・飲んでないのに・・・という状態でした。
でも、当時はコーヒーのせいだとはわかっていませんでしたので、なぜ気持ち悪くなっているのかが分からなかったんです。それで最悪な話ですが「飲んでみたい」とせがんで、父も「ちょっとだけなら」と一口か二口、飲ませてもらったことがありました。
スモーキーなちょっと酸っぱい大人の味で、美味しくないな~と思いました。
どうなったかというと・・・小学校に着いて、荷物を置いてから校庭で友達と遊び始め、「あれ?気持ち悪いかな」と感じ始めて・・・世界が赤暗く反転したと思ったら、次に気が付いたのは保健室のベッドの上でした。
もう授業は始まっていた時間なのに、姉が呼ばれて、心配そうに私の顔をのぞき込んでましたね。
それでも、「貧血だろう」と話はなり、コーヒーの話はひとつも出ませんでした。私も、実際のところ子どもだったので、疑ってはいたものの言っても信じてもらえなさそうだし、父に悪いかなと思って言いませんでした。
その後も、父は毎朝のようにコーヒーを淹れて飲んでいましたし、私は飲まなかったけれどもいつも気持ち悪くなって朝礼などで良く倒れていました。けれど、貧血だろうと思っていました。いや、起立性低血圧だと言われてましたから、そっちの影響でもあったのかな?
コーヒー酔っ払い実験
コーヒーが飲めないタチだ、匂いでもダメ、近寄るとマズいことになると、遅くとも中学生になる頃には理解していたと思います。
飲むと最悪です。必ず気持ち悪くなるというか、顔まで赤くなって動けないので「酔っぱらってるみたい」「もったいない」と親ももう飲ませてくれませんし、私も体調が悪化するので流石に避けるようになっていました。
でも、私はひんやり美味しそうなコーヒーゼリーは食べたくて、食べてみてやっぱり気持ち悪くなっていました。バカですよね・・・食い意地が張ってたんです。
高校時代に、私みたいな人はいるんだろうか?と友人たちに聞いてみたら、「噓でしょー」「そんな人は見たことない」と言われてしまいました。
そこで、休みの日に駅ビルの茶店(あの頃はカフェなんて呼んでませんでした💦)で、メキシカンなんちゃらアイスコーヒーをみんなで飲んでみて、私だけが見事に顔を赤くして酔っぱらって階段から落ちたり(!)タクシーに乗ろうとしても頭をぶつけてしまって車になかなか乗りこめない(!)ぐでんぐでん状態になってから、「ごめんねー」「ホントだったね」となったのでした。
人体実験って言っていいですよね・・・今思い出しても冷や汗が出ます。
大学生になって、植物学のクラスを受講した時に教授に聞いてみました。「それはきっとカフェインのアレルギーだね、主治医にちゃんと聞いてごらん」とその時初めて言われ、そうだったのかと思ったのでした。
他にもたくさん食物アレルギー持ちではあるので、不思議ではありませんね。
緑茶飲料で手がブルブル
「お茶は?お茶にもカフェインは入っているよね?」と良く聞かれるのですが、安心してください、緑茶・紅茶・中国茶でも症状は出ます。
留学中のことですが、実家から「グリーンティー」という砂糖入りの緑茶飲料のパウダーが送られきました。たぶん玉露のパウダーです。飲んでみたルームメイトがとても気に入ったので、それからも頻繁に送ってもらっていました。
私はそこまで好きではなかったので(本能的に避けていたんでしょうか?)、いつもは飲んだとしてもコップ1杯ぐらい。ところが、ルームメイトと一緒に宿題をした時にピッチャーにたっぷりグリーンティーを作ってしまったので、私もグビグビと3杯ぐらいも飲んでしまったんですね。
そしたら、手がブルブル震え出して止まらないし、気持ち悪くなって吐き気も始まり、ルームメイトを慌てさせてしまいました。
私ももちろんビックリ。あのメキシカンなんちゃらコーヒーを飲んで階段から落ちた日のことを思い出しました。
これは、植物学の教授に話を聞く少し前のことでした。この騒ぎがあったから、教授にいきなり相談したんだと思います。
1グラム当たりでカフェイン含有量を比較すると緑茶の方がコーヒーよりも多いぐらい。でもカップ1杯当たりで比べると、コーヒー1杯分よりも緑茶の方が少なくなってせいぜい2~3グラムの茶葉しか必要ないので、お茶を飲んでいてもカフェインの影響には気づきにくいかもね、と言われました。
さすがに、玉露のパウダー飲料はカフェイン含有量も多くてインパクトが強かったってことなんでしょうね。それはそれで、納得するところでした。
安心なノンカフェ麦茶、ハトムギ茶
ペットボトルで濃い緑茶ってありますよね。あれはダメですね。しばらくしなくても、かなり気分が悪くなります。烏龍茶は、ちゃんと淹れたのを飲むとやっぱりボーっとして1日を無駄に過ごすことになります。
とはいえ、お茶類はサービスで出していただくことが多いので、避けるのは難しいですね。薄いのだったらまあちょっと気分が悪くなるぐらいで我慢できる範囲なので、飲まなければならない場合は、後から水を飲むとか、なるべく薄めて飲んでいます。
それに、回転性めまいや耳鳴りが発症してから気づいたんですが、お茶類を飲むと、耳鳴りが始まって酷くなってきます。私の聴神経には良くないみたいです。
私の味方はノンカフェインの麦茶やハトムギ茶。トウモロコシのヒゲ茶、ゴボウ茶もおいしいですね。先日は、桑の葉のお茶を出していただく機会があって、美味しくいただきました。ローズヒップなどハーブティーなら飲めるものが多い印象ですが、出先でリクエストするのはちょっと贅沢な、無理な話ですよね。
カフェインの驚きの昇華性
コーヒーの話に戻ります。なぜ、この話を書こうと思ったかというと、今更ですが驚いたことがあったんですよ。
家族はコーヒー好きで、でも私が居る時にはなるべく飲まないとか、遠くで飲むとか、少なくともタンブラーに蓋をしてチビチビ飲むとかしてくれていました。
健康を考えて、デカフェのフェアトレードのオーガニックコーヒーを見つけたのでそれを買って家で飲み始めたある日・・・私が居たのにうっかり普通のマグカップで飲んでいたことに気づいて「ごめんごめん」と言ってきたんです。
これって、かなり珍しいことでした。
私はカナリアみたいに反応しますので、普通は、私の方が先に気分が悪くなって、それから私が家族に指摘をするのです。それなのに、そのデカフェコーヒーは、私が気づかなかったのです。
フタの開いたカップでコーヒーを飲んでいると家族に言われて、匂いは確かにするのに、信じられませんでした。気分も悪くなりませんでした。
それで、今更ですが、ネットでググったところ、やはり、カフェインって揮発性がすごいんですね。(参考:「カフェイン」を揮発させて吸入 - ごっとさんのブログ (goo.ne.jp))揮発性どころか、固体から直接気体に変化できるぐらいの「昇華性」に優れているらしいです。
普通のコーヒーだと、飲まなくても、揮発したカフェインを含む匂いだけで気分が悪くなっていたわけですね・・・なるほどです。
そんな勇気は出ませんが、もしかしたら、このデカフェのコーヒーだったら私も飲めるのかも・・・少なくとも、家族には今後もこれ(↓)を飲み続けてもらおうと思っています。